サブメンバー:平高 史也 Fumiya Hirataka

研究来歴とメッセージ

私の研究は大きくまとめると、社会言語学、外国語教育学になります。最初は、ドイツ語と日本語を教える現場を数年経験した頃、第2言語習得研究に関心を抱きました。当時はまだドイツが東西に分かれていた頃の東ベルリンの(!)フンボルト大学で日本語を教えていましたので、西ベルリンの(!)ベルリン自由大学でドイツやヨーロッパで行われていた移民に関する第2言語習得のプロジェクトについて学びました。帰国後、移民の自然習得の日本語の研究プロジェクトに入り、ブラジル出身者の発話データをヨーロッパで行われていた機能中心的なアプローチに基づいて分析しました。そうした関心は、その後、地域に住む外国人の日本語学習や、年少者の抱える言語や教育の問題などに広がっていき、藤沢市や長野県を中心に多文化共生の問題に取り組んできました。同じ頃、文化庁の「『生活者としての外国人』のための日本語教育事業」や国際交流基金のJF日本語教育スタンダードにも委員やアドバイザーとして加わりました。最近は海外の多言語社会(非英語圏)に住む日本語母語話者の言語生活に関心をもち、アンケートやインタビューを行って、言語使用・選択・学習の実態を明らかにしようとしています。もう一つ関心を持っているのが日本語教育の歴史です。教育史ですから、教材や教授法、言語政策などが対象になりますが、教育を通して意図的に多言語社会を作ったという意味では多言語多文化共生の問題に含まれると思います。

これらを通して思うのは、言語の研究や教育は最終的には世界平和に貢献できるということです。その意味で「平和言語学」というのがあってもいいのではないかと考えています。

専門と関心の領域

  • 社会言語学(特に言語教育政策、言語普及政策)
  • 日本語を含む外国語教育(理念、歴史、教科書・シラバス作成、バイリンガル教育など)
  • 多言語多文化社会(海外の日本語母語話者の言語生活)
  • 移民の言語問題(ミクロからマクロまで)
  • ドイツの移民や外国につながる子どもの言語教育

研究と教育のキーワード

  • 言語政策
  • 移民言語
  • 移住が生み出す多言語社会
  • 異言語教育
  • 母語・継承語・異言語等の概念
  • 多言語話者

主要研究業績

  1. 平高史也(2014)「移民に対するドイツ語教育の変遷と現状」富谷玲子・彭国躍・堤正典編『グローバリズムに伴う社会変容と言語政策』pp.165-192ひつじ書房
  2. 福田えり、古谷知之、島田徳子、岩本綾、王雪萍、福田牧子、平高史也(2014)「上海在住の駐在員配偶者の言語生活に関する考察」『慶應義塾外国語教育研究』第10号pp.1-22
  3. 平高史也(2013)「山口喜一郎『対話に於ける言語活動の特徴』を再読する-直接法理論の完成から話しことば教育・研究へ」加藤好崇・親内康子・平高史也・関正昭編『日本語・日本語教育の研究-その今、その歴史』pp.240-256スリーエーネットワーク
  4. 平高史也(2013)「ウエルフェア・リングイスティクスから見た言語教育」『社会言語科学』第16巻第1号pp.6-21
  5. Fumiya Hirataka(2001) “Der Erwerb der Temporalität im Japanischen als Zweitsprache. Eine empirische Untersuchng zu Lernervarietäten brasilianischer Immigranten.“ München: iudicium verlag

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